ダイエット

【発酵食品ダイエットの完全ガイド】おすすめの食材や組み合わせを解説

近年、健康食品として注目を浴びている発酵食品。

「発酵食品をダイエットに取り入れられたら…」と考えている方もいるのではないでしょうか。

発酵食品は、腸内環境の改善に大きな効果があることがわかっています。しかしながら、食べ過ぎると高血圧や腎臓病のリスクが高まることも。

本記事では、発酵食品でダイエットする際の注意点やおすすめのレシピ、進め方などを解説します。

そもそも発酵食品とは?

チーズやワインなどの発酵食品

発酵食品とは、微生物の働きにより人間にとって良いものに変化した食品のことです。

発酵のメカニズムは腐敗と同じですが、人間に有益なものに変化することを発酵、人間にとって有害なものに変化することを腐敗といいます。

発酵は、主に味や保存性の向上を目的として行われます。

発酵を起こす微生物と、それぞれから作られる食品は以下のようなものがあります。

代表的な発酵食品一覧

微生物主な食品
麹かび日本酒・味噌・醤油・みりん・かつお節
酵母パン・アルコール飲料
乳酸菌漬物・チーズ・ヨーグルト
酢酸菌
納豆菌納豆

発酵食品がダイエットに効果がある理由

発酵食品はダイエットに効果のある食材として知られています。その理由を3つ解説します。

  • 腸内環境が良くなる
  • 代謝が向上する
  • 脂肪燃焼を促進する

腸内環境が良くなる

発酵食品を食べると腸内環境が良くなる

発酵食品を食べると、腸内環境が改善されることがわかっています。これは、発酵食品に含まれる微生物が腸内環境を整えるためです。

スタンフォード大学で行われた研究によると、発酵食品を10週間続けた人は、腸内細菌の多様性が増し、炎症に関する指標が減少する傾向にあることがわかっています。

腸内環境が整うことで「デブ菌」と呼ばれる悪玉菌が減少し、「痩せ菌」と呼ばれる善玉菌が増えます。腸内環境の改善は、便秘解消にも有効です。

このように、腸内環境が改善することで痩せやすい身体になるのです。

代謝が向上する

食品を発酵すると、代謝を高める成分が増えるため、発酵食品は代謝の向上に役立ちます。

例えば、発酵するとビタミンB群が増えますが、ビタミンB1は糖質の代謝を助け、ビタミンB2は脂質の代謝を助けます。

ある研究によれば、微生物が発酵の過程で生産した成分が、肝臓や脂肪組織の脂質代謝経路を調節することで、体重の増加を抑制することがわかっています。

脂肪燃焼を促進する

発酵食品を食べると、腸内環境の改善や代謝の向上により、脂肪燃焼が促進されます。脂肪を燃焼することで、綺麗に痩せられます。

例えば、乳酸菌が生成する共役リノール酸(CLA)や、大豆の発酵食品に含まれるポリペプチドは、脂肪燃焼を促進するという研究結果があります。

発酵食品ダイエットの完全ガイド

発酵食品でダイエットをしようと考えている方は、以下の手順に従って実践してみてください。

1. 自分がどれだけ発酵食品を食べているか確認する

普段からどのくらい発酵食品を食べているかを確認します。十分に摂れている場合は、無理して増やす必要はありません。

発酵食品は豊富にあるため、意識していなくてもたくさん食べている場合があります。例えば、ハンバーガーには、パン・ピクルス・ケチャップなどの発酵食品が含まれています。

一つひとつの料理に含まれている食材をよく見てみると、普段から意外と多くの発酵食品を食べているかもしれません。

2. 好きな発酵食品を見つける

好きではないものを食べ続けるダイエットの成功率は低くなります。

好きな発酵食品を見つけ、楽しみながらダイエットに取り組みましょう。

3. 1食に1つは発酵食品を入れるよう意識する

発酵食品ダイエット中は、腸内環境を整えるために、1食に1つ以上の発酵食品を入れるようにします。

はじめからたくさん摂ろうとせず、まずは1つずつ取り入れていきましょう。

4. 発酵食品のレパートリーを増やす

発酵食品を食べることに慣れてきたら、ご自身の発酵食品のレパートリーを増やしていきましょう。

さまざまな発酵食品をバランスよく摂ることで腸内環境が改善します。レパートリーを増やして、色々な発酵食品を摂るようにしましょう。

おすすめの発酵食品ランキング5選

ここでは、ダイエットに向いている健康的な発酵食品を5つ紹介します。

納豆

納豆のイメージ画像

納豆は、高たんぱく質・低カロリーのダイエットに最適な発酵食品です。納豆には、善玉菌である納豆菌によって作られ、腸内環境を整える働きがあります。

また、納豆はお米に不足しているアミノ酸が多く含まれているため、日本食と相性が良いです。朝食にお米を食べている方は、納豆を追加すると栄養バランスを整えられます。

ただし、納豆にはビタミンKが多く含まれているため、ワーファリンなど血液がサラサラになる薬を服用している方は、食べないようにしてください。

味噌

味噌は、麹菌や乳酸菌、酵母から作られる発酵食品です。糖質や脂質の代謝を高めるビタミンB群や、抗酸化成分が豊富に含まれているため、ダイエットや美容に役立ちます。

味噌は味付けに使用できるほか、味噌汁にすれば野菜や海藻と一緒に摂れる低カロリー食になります。

みそ汁は、塩分に気をつけ、1日1~2杯程度に抑えれば、ダイエットや健康維持に大きく役立ちます。

酢は、酢酸菌から作られる発酵食品です。酢に含まれる酢酸には、脂肪の合成を抑えて分解を促進する働きがあり、内臓脂肪の減少効果もあります。

日本人に対して行われた研究では、1日当たり15ml~30mlの酢を摂ることで、体重やBMI、内臓脂肪面積などが改善したとの結果が報告されています。

酢は、料理にかけたり酢の物にしたりすると、日常的に摂り入れやすくなります。ただし、大量に摂ると胃を痛める恐れがあるため、摂り過ぎには注意が必要です。

キムチ

キムチのイメージ画像

キムチは、主に乳酸菌から作られる発酵食品です。発酵によるダイエット効果のほか、カプサイシンが持つ脂肪燃焼・代謝向上などの効果が、ダイエットに役立ちます。

また、キムチは白菜などの野菜から作られているため、野菜を摂ることにもつながります。野菜不足を感じている方におすすめの発酵食品です。

ヨーグルト

ヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌などから作られる発酵食品です。腸内環境を整えることで、内臓脂肪の減少や代謝の向上などに役立ちます。

また、ヨーグルトにはたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質を多く配合した製品も販売されています。

ダイエットに運動を取り入れている方にはおすすめです。

発酵食品ダイエットにおすすめのレシピ

発酵食品ダイエット中におすすめのレシピを3つ紹介します。

  • 豚キムチ
  • ビネガーサラダ
  • 塩こうじサラダチキン

豚キムチ|主食におすすめ

豚キムチは主食におすすめ

豚キムチは、主食におすすめです。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富に含まれているため、疲労回復を図りたいときにおすすめです。

材料

  • ごま油
  • 豚肉:150g
  • もやし:1/2袋
  • キムチ:120g
  • にら:1/2袋

作り方

  1. フライパンにごま油を入れて火をつける
  2. 豚肉を入れ、色が変わるまで火を通す
  3. もやしを入れ、しんなりするまで火を通す
  4. キムチを入れ、混ぜ合わせる
  5. ニラを入れ、混ぜ合わせる
  6. ニラがしんなりしたら、完成

ビネガーサラダ|野菜をたっぷり食べるなら

サラダにビネガーをかけるとさっぱりした味になる

サラダを食べるときにビネガー(酢)をプラスすることで、手軽に発酵食品を摂れます。

材料

  • 白ワインビネガー(酢でもOK):大さじ2
  • オリーブオイル(サラダ油でもOK):大さじ1
  • 塩:小さじ1/2
  • 胡椒:お好み
  • 砂糖:小さじ1(なくてもOK)

ソースは上記の材料を混ぜ合わせるだけで完成です!お好きなサラダにかけて食べてください。

分量はお好みで調整してください。

塩こうじサラダチキン|酵素の力で旨みアップ

塩こうじの力でサラダチキンのうまみがアップする

ヘルシーにたんぱく質が摂れる一品です。ダイエット中に不足しがちなたんぱく質を、おいしく補えます。

材料

  • 鶏むね肉:1枚(200~350g)
  • 塩こうじ:大さじ2~3
  • 水:大さじ1~2

作り方

  1. 鶏むね肉の両面にフォークを刺して穴をあける
  2. 鶏むね肉・塩こうじ・水をジッパー袋に入れ、空気を抜いて閉じる
  3. 鍋に水を入れて火にかける
  4. 沸騰したら鶏むね肉が入ったジッパー袋を入れ、再度沸騰するまで待つ
  5. 沸騰したら火を止め、1時間ほど放置する
  6. 鍋から取り出して内部まで火が通っていることが確認できたら、完成

※調理後は、必ず内部まで火が通っているかを確認してください。肉が分厚い場合、内部まで火が通っていない場合があります。

痩せやすい発酵食品の食べ合わせ|何と組み合わせればよい?

発酵食品と相性の良い食べ合わせは、以下の3つです。

  • 発酵食品×食物繊維
  • 発酵食品×たんぱく質
  • 発酵食品×スパイス・ハーブ

その理由を解説します。

発酵食品×食物繊維

発酵食品と食物繊維を一緒に摂ることで、発酵食品に含まれる微生物の働きを高められます。

善玉菌のエサとなる食物繊維(プレバイオティクス)を一緒に摂ることで、発酵食品の効果を高められます。

例えば、以下のように組み合わせられます。

  • ヨーグルトにオートミールや干し柿を入れる
  • キムチとごぼうを混ぜる
  • 味噌汁に根菜やきのこを入れる

食物繊維を食べると、便通改善や満腹感アップなどの効果も得られるため、ダイエットの成功率も上げられます。

ヨーグルトにドライフルーツを入れると色合いも味もよくなる

発酵食品×たんぱく質

発酵食品とたんぱく質を摂ることで、腸内環境を整えながら筋量や代謝を向上でき、痩せやすい身体にすることができます。

ダイエットでは、代謝を上げるために、筋肉を作るたんぱく質が重要です。

発酵食品には、納豆やチーズなどといった高たんぱくの食品も多いですが、他のたんぱく源と一緒に摂ることで更にダイエット効果を高められます。

例えば、以下のように組み合わせられます。

  • 鶏むね肉を味噌漬けにする
  • ヨーグルトにプロテインパウダーやきな粉を混ぜる
  • 納豆と卵を混ぜて食べる

特に、たんぱく質は運動の効果を高めるので、ダイエットに運動を取り入れている方におすすめです。

発酵食品×スパイス・ハーブ

スパイスを使うことで減塩しながら味付けできる

発酵食品をスパイスやハーブで味付けすることで、減塩しながら味付けできます。健康的に美味しく味付けできるため、発酵食品ダイエットを無理なく続けられます。

スパイスやハーブにも、発汗作用や抗酸化作用、消化促進作用などのダイエットや美容に役立つ作用があります。

例えば、以下のように組み合わせられます。

  • タンドリーチキンの味付けにヨーグルトとカレー粉を入れる
  • エスニックサラダの味付けにキムチとハーブを合わせる
  • コンブチャなどの発酵飲料の味付けにミントを使用する

スパイス料理に発酵食品を入れるのもおすすめです。例えば、カレーにヨーグルト・味噌・醤油などの発酵食品を隠し味に入れると、コクが出ます。

発酵食品ダイエットの注意点

発酵食品は健康によいと思われがちですが、食べ方を間違えたり食べ過ぎたりすると、ダイエットや健康に逆効果となります。

ここでは、発酵食品を食べる際に注意したいポイントを4つ解説します。

塩分過多になりやすい

発酵食品は塩分が多く含まれている傾向にあります。塩分が多く含まれる発酵食品を食べ過ぎると、塩分過多により高血圧や腎臓病を引き起こす可能性が高まります。

日本人は、塩分摂取量が多い傾向にあります。発酵食品の摂り過ぎにより、塩分過多にならないよう注意してください。

塩分が少ない発酵食品

  • 納豆
  • かつお節
  • ヨーグルト
発酵食品には塩分が多く含まれている傾向にある

カロリー過多になりやすい

発酵食品には、カロリーが多く含まれる食品があります。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、体重は増えます。特にダイエット中は、カロリー過多にならないよう注意が必要です。

カロリーに注意したい発酵食品

  • ヨーグルト
  • ビール
  • パン

IBSやSIBOの方は食べ過ぎない

IBS(過敏性腸症候群)やSIBO(小腸内細菌異常増殖)の方は、発酵食品を摂りすぎると不調になる場合があります。

発酵食品を食べたことで、IBSが悪化したという報告もあります。IBSやSIBOの方で発酵食品ダイエットをしようと考えている方は、安全のためにも一度、医師に相談してください。

発酵食品がSIBOやIBSに及ぼす影響や「腸にカビが生える」と言われる理由は、以下の記事で解説しています。

短期的に痩せようとしない

発酵食品ダイエットは短期的な減量法ではなく、腸と体質を改善していく長期的なダイエット方法です。数週間や1ヵ月で痩せようとせず、長期的な視野を持って取り組みましょう。

たとえ1ヵ月で体重が落ちなくても、内側では変化が起きています。腸内環境が整うことで太りにくく痩せやすい土台ができ、徐々にリバウンドしにくい身体となっていきます。

焦らず継続することで、半年、1年後には「気づけば痩せていた」という結果につながります。

すぐ簡単に痩せる方法はありません。全てのダイエット方法にいえることですが、焦らず無理せずコツコツ継続して、綺麗な身体を手に入れましょう。

そのほか、発酵食品のデメリットは以下の記事で解説しています。ダイエットを失敗しないためにも参考にしてください。

発酵食品ダイエットに関するよくある質問

発酵食品ダイエットにおけるおすすめの食事タイミングやコツを紹介します。

納豆やワインなどの発酵食品

ダイエット目的で発酵食品を食べるおすすめのタイミングは?

特にありません。しかし、食品によります。

発酵食品を食べるタイミングによって効果が大きく変化することはありません。基本的に発酵食品は、朝・昼・夜・寝る前のいつ食べても大丈夫です。

しかし、タイミングを注意した方が良い食品もあります。

例えば、ヨーグルトやキムチなどに含まれる乳酸菌は、胃酸に弱いという特徴があります。そのため、食後など胃酸が弱くなったタイミングで摂ると、効果を高められます。

発酵食品ダイエットのコツは?

継続してコツコツ続けることです。

腸内環境はすぐに変わらないため、発酵食品ダイエットの効果をすぐに感じることは難しいです。

しかしながら、発酵食品ダイエットを続けて腸内環境が整えば、痩せやすく健康的な身体となります。

そもそも、すぐに、簡単に、綺麗に痩せられるダイエット方法はありません。

焦って痩せようとして失敗し続け、結局1年経っても何も変わらなかったという経験をした方もいると思います。

少なくとも半年、できれば1年以上の期間をかけて、綺麗に痩せていきましょう。

まとめ|発酵食品は上手に摂ればダイエットに役立てられる

発酵食品は身近にありながらも、健康に役立てられるダイエット向きの食品です。

塩分やカロリーに気を付ければ、腸内環境を改善しながら、痩せやすい身体を実現できます。

焦らず、長期的な視点を持ち、発酵食品ダイエットに取り組んでいきましょう。

ENAでは、ダイエットをはじめとする「食」に関する情報を、確かな証拠に基づいて解説しています。普段の食生活や「食」の学習に役立てていただければ幸いです。

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