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朝食前の運動は太る?痩せる?ダイエットに最適なタイミングを解説

朝食前に運動をして、痩せようと考えている方は多いのではないでしょうか。

実際、朝食前の運動は脂肪燃焼を促進するため、高いダイエット効果が期待できます。

その一方「朝食前に運動すると太りやすくなる」「朝食前に運動をすると脂肪を溜めやすい体になる」といわれることもあります。

これが本当なら、せっかく早起きして運動する意味がなくなってしまいますよね。

本記事では「朝食前の運動は痩せる」といわれる理由を生理学的な観点から解説し、おすすめの運動メニューや朝に運動する際の注意点などを紹介します。

「朝食前に運動すると痩せる」といわれる理由

朝食前に運動すると、体内の脂質がエネルギーとして利用されやすくなることから、脂肪燃焼を促進して痩せやすくなる効果が期待できます。

肥満の男性を対象に、朝食前後の運動による効果を比較した研究では、朝食前に運動したグループのほうがエネルギーとしての脂質利用率が約2倍高かったという結果が示されています。

朝食前後の運動による効果を比較した場合、朝食前の運動のほうが脂肪燃焼を促進しやすいといえます。

ただし、運動によるエネルギー消費量は、朝食前・朝食後で大きく変わることはなかったようです。

そのため、朝食前に運動するだけでダイエット効果が大幅に上がるわけではないことに注意です。

ダイエットのための運動は朝食前・朝食後のどちらにすべき?

ダイエットのための運動は朝食前・朝食後のどちらにすべきか迷うかもしれませんが、どちらが正解ということはありません。

しかし、朝食前と朝食後で運動の効果が多少異なるため、目的に応じてタイミングを変えることは可能です。

脂肪燃焼の比率を上げたいなら朝食前

先述のように、朝食前の運動は高い脂肪燃焼効果を期待できます。

よって、脂肪燃焼の比率を上げて余計な体脂肪を減らしたい人は、朝食前の運動がおすすめです。

食後の運動は食べたものをエネルギー源として利用しますが、朝食前はエネルギー源となる糖質が不足した状態であるため、身体は脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとします。

したがって朝食前の運動は、すでに体脂肪率が高めで、燃焼したい脂肪がある方におすすめです。

脂肪をつきにくくするには朝食後

朝食後の運動は、朝食前の運動に比べて脂肪の利用率は下がるものの、食後の高血糖の上昇を予防して脂肪をつきにくくする効果が期待できます。

食事前後の運動が血糖値に与える影響を調べた研究では、食後の運動が血糖値の上昇を抑える効果があると確認されました。

血糖値が高くなると、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンには血液中の余分な糖分を体脂肪として溜め込むはたらきがあります。

つまり血糖値の上昇を抑えられると、インスリンの過剰な分泌を抑えることができ、脂肪がつきにくくなるのです。

朝食前の運動では、食後の血糖値に有意な影響を与えなかったと報告されています。よって、脂肪をつきにくくするためには、朝食後の運動が適しているといえます

継続しやすいタイミングで運動しよう

スポーツジムでトレーニングする女性

朝食前と朝食後の運動ではそれぞれ期待できる効果が異なりますが、エネルギー消費量に大きな差はありません。

そのため、朝食前に運動したからといって、月に1kg多く痩せるなどの効果は得られないと考えられます。

したがって、「ダイエットを成功させる」という観点では、無理なく続けやすいタイミングに運動することが重要です。

習慣化が難しいタイミングでの運動は、途中で挫折したり、運動が続かずリバウンドしたりする可能性が高まります。

運動は実施するタイミングにかかわらず、エネルギー消費量を増やすことができます。

また、朝食前・朝食後の運動にはそれぞれの良い点があるため、まずは無理なく継続しやすいタイミングで運動しましょう。

朝におすすめの運動メニュー

ここでは、朝におすすめの運動メニューを3つ紹介します。

ランニング

気軽に実践しやすい運動として、ランニングがおすすめです。

ランニングは運動強度が高いため、短い時間でも効率よくエネルギーを消費し、脂肪燃焼を促進する効果が期待できます。

特別な場所や器具がいらないことから、継続しやすい運動でもあります。

朝は運動できる時間が限られていることも多いですが、ランニングであれば短時間でも高い効果が期待できます。

http://eatnavi-ena.com/effective-times-for-running/

筋トレ

屋外で腹筋をする男性

筋トレは屋内でできる運動であるため、天候や季節に左右されずに実施しやすいというメリットがあります。

身体の気になる部位をピンポイントで鍛えられるのも、筋トレならではのメリットです。

ただし、エネルギー不足の状態で強度の高い筋トレをすると筋肉の修復が十分に行われず、ダイエット効果が得られないことがあります。

また、正しいフォームを身に付けないと、身体を痛めたり怪我をしたりするおそれがあります。

ダンベルやトレーニングマシンなどを使った強度の高い筋トレをする場合は、栄養管理と正しいフォームの習得を意識してください。

ウォーキング

歩道をウォーキングする女性

普段あまり運動習慣がない人は、ウォーキングがおすすめです。

ウォーキングは特別な道具が必要なく、誰でも手軽に実践できるのが最大のメリットです。朝日を浴びながらのウォーキングは、気分転換にも最適です。

また、ウォーキングは朝食後の運動にも適しています。

食後に激しい運動をすると腹痛や吐き気などを引き起こすことがありますが、ゆったりとしたウォーキングであればその心配は少なく、朝食後でも無理なく運動ができるでしょう。

朝に運動するメリット

朝食前・朝食後にかかわらず、朝の運動にはさまざまなメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを3つ紹介するので、参考にしてください。

生活リズムが整う

朝に運動をすると、生活リズムが整いやすくなります。

これは、朝に日光を浴びることで「セロトニン」というホルモンの分泌量が増えるためです。

セロトニンは体内時計を正常化するほか、夜になると「メラトニン」というホルモンに変化し、眠気を誘います。

つまり、朝の運動はすっきりとした目覚めと質の良い睡眠を促し、生活リズムを整えることにつながるのです。

ビタミンDの生成を促進する

朝の運動は、ビタミンDの生成も促進する効果があります。

ビタミンDは、食品から摂取するだけでなく、紫外線を浴びることで体内でも生成できます。朝に運動すると自然と紫外線を浴びる時間が増えるため、ビタミンDの生成を促すことにつながります。

さらに、ビタミンDにはカルシウムの吸収を助けるはたらきがあるため、骨や歯の健康維持にも役立ちます。

しかし、日光の浴びすぎは皮膚がんのリスクを高めるため、肌の露出が大きい場合は防止や日焼け止めを活用しましょう。

基礎代謝を上げられる

朝に身体を動かすと、基礎代謝が上がることも明らかになっています。

朝はもともとエネルギー消費量が上がるタイミングですが、運動をすると交感神経が活発になる分、筋肉への血流が促進され、さらに代謝が上がりやすくなります。

基礎代謝が高い状態になると日常動作によるエネルギー消費量も自然と増えるため、痩せやすい身体になります。

朝食前に運動する注意点

ここまで朝の運動によるメリットを解説しましたが、朝食前に運動する場合には以下の点に注意が必要です。

水分補給を忘れない

肩にタオルをかけて水を飲む女性

人は寝ている間も汗や呼吸によって水分を失うため、寝起きの身体は水分不足の傾向にあります。

起床後、水分を摂らずに運動すると、短時間の運動でも脱水症状を引き起こすおそれがあるため、運動前には必ず水分補給をするようにしてください。

朝食をしっかり摂る

運動したあとには、朝食を必ず摂るようにしましょう。

運動によるダイエット効果を高めるためには、筋肉をつけることが重要です。朝食を抜くと、筋肉を修復するための栄養が足りなくなり、基礎代謝の低下につながります。

筋肉の材料となるたんぱく質をはじめ、エネルギー源となる糖質、代謝を促すビタミン・ミネラルなどを朝食でしっかり補うことで、筋肉量が向上して基礎代謝が上がり、痩せやすい体になります。

ストレッチを入念にする

公園でストレッチをする女性

運動前はストレッチを入念にして、ウォーミングアップをしっかりおこないましょう。

起床後すぐは筋肉や関節が固まっており、柔軟性が低いタイミングです。激しい運動をすると身体を痛めたり、怪我をしたりするリスクがあります。

身体を伸ばす、肩を回すなどのストレッチによって血行を促進し、十分身体をほぐしてから運動に取り組むようにしましょう。

朝食前の運動に関するよくある質問

ここでは、朝食前の運動に関するよくある質問に回答します。

ダイエットするなら朝と夜のどちらに運動すべき?

朝の運動のほうが脂肪燃焼効果が高いほか、さまざまなメリットが期待できます。

朝の運動は効率よく脂肪を燃焼させ、基礎代謝を上げる効果が期待できます。よって、ダイエット目的で運動する場合は朝がおすすめです。

しかし、ダイエット成功のためには運動を継続することが重要であるため、必ずしも朝に運動をしなくてはならないというわけではありません。

自分に合った運動のタイミングを見つけて、「運動を継続すること」を最優先に考えるようにしましょう。

公園で準備運動する男女

朝食前に運動すると筋肉は分解される?

激しい運動でない限り、筋肉が分解される可能性は低いです。

エネルギー源となる糖質が不足した状態で運動すると、筋肉が分解されてエネルギーとして使われる、といわれることがあります。

この仕組みを「糖新生」といいますが、エネルギー不足だからといってすぐに糖新生が起こるわけではありません。

筋肉が分解される前に、筋肉に貯蔵されている糖分(グリコーゲン)や体内に蓄積されている脂肪がエネルギーとして使われます。

よって、よほど激しい運動でない限り、朝食前の運動によって筋肉が分解される可能性は低いといえるでしょう。

また、筋肉は常に分解と合成を繰り返しています。そのため、仮に朝食前の運動によって筋肉が分解された場合でも、長期的なエネルギー不足にならない限り、筋肉量が大幅に減少するようなことはありません。

空腹時に運動するメリット・デメリットは?

メリット:脂肪燃焼を促進
デメリット:運動のパフォーマンス低下

空腹時に運動すると、脂肪がエネルギーとして利用されやすくなるため、脂肪燃焼が促進されます。

よって、体脂肪を落として引き締まった身体づくりをしたい人は、空腹時の運動がおすすめです。

しかし、強度の高い運動をするときには、エネルギー源となる糖質不足によってパフォーマンスが低下してしまうことがあります。

場合によっては低血糖や体調不良を引き起こすおそれもあるため、長距離のランニングや激しい筋トレ等をする場合には、食事でエネルギーをしっかり補充しましょう

まとめ|自分に合った最適なタイミングで運動しよう

朝食前の運動は、朝食後の運動よりも脂肪燃焼を促進する効果があるため、痩せる効果が期待できます。

しかし、朝食前・朝食後の運動によるエネルギー消費量に大きな差はないことから、運動は続けやすいタイミングに実施することが最も重要といえます。

朝の運動にはさまざまなメリットがあるため、本記事で紹介した運動メニューや注意点も参考にしながら、自分に合った最適なタイミングで運動してみてください。

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