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魚を食べるとIQが上がるって本当?学力や認知能力への影響を解説

2022年11月3日

「魚を食べると学力が上がるって本当?」
「魚を食べるとIQが上がる?」

本記事では、「魚を食べると頭が本当に良くなるのか」を科学的に調べた最新の研究結果を、やさしく解説します。

また、記事内では、魚を摂取することで睡眠の質が上がる理由も解説しています。睡眠の質で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

特に、小さなお子様がいる方は必見。乳幼児が魚を摂ることで、IQや言語能力が良くなるとわかっています。

この記事でわかること

  • 魚の摂取は乳幼児のIQと言語能力を高める
  • 魚を食べるとオメガ3により睡眠の質が上がる
  • 魚の中でもさんまやサバ、鮭は効果が高い

魚を摂取すると乳幼児のIQ発達と言語能力が改善する

2017年にペンシルベニア大学で行われた研究によって、乳幼児の魚の摂取がIQ発達と言語能力に良い影響を与えることがわかりました。その効果を2つご紹介します。

オメガ3脂肪酸が学力や記憶力の発達を促す

「EPA」「DHA」

健康や美容に気を遣っている方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。これらはすべて「オメガ3脂肪酸」という脂肪酸です。(以下オメガ3)

脂肪と聞くと悪いイメージを持つ方もいるかと思いますが、オメガ3は、血圧を下げたりLDLコレステロールを減らしたりと、良い効果を多つ栄養素です。

オメガ3は神経の発達に大きな影響を与えています。その中でも、認知能力(学力や記憶力など)に与える影響は特に大きいと言われています。

ペンシルベニア大学の研究では、オメガ3を多く摂取してきた子どもは以下の能力が高いことが明らかになっています。

オメガ3を摂ると高まる能力

  • 言語能力
  • 視覚運動能力
  • 目と手の協応 ※
  • IQ

※幼児期における目と手の協応は「視覚機能」「視覚認知」において非常に重要な指標

これらは、オメガ3の摂取によって神経がより発達した結果だと考えられています。

幼少期にオメガ3をしっかり摂れば、学生時の学力成績の向上や、高齢期における認知症の予防にも繋がります。




魚を多く摂取している人は、睡眠障害のリスクが低いことがわかっています。

これは、魚に多く含まれる必須脂肪酸が、睡眠誘発作用を持つ「プロスタグランジン」の調整に関係しているからだと考えられています。

魚に含まれる必須脂肪酸はプロスタグランジンの産生や調整に関与しているため、睡眠障害を予防する効果があるのです。

魚の摂取は認知症にも効果的

魚の摂取は、学業成績やIQの向上だけでなく、高齢者の認知症予防にも効果があることがわかっています。

また、年を重ねるにつれ睡眠の質が落ちやすいため、ぐっすり眠れない悩みを抱えている高齢者の方も多いのではないでしょうか。

魚を食べると睡眠の質が上がり、短い睡眠時間でも効率的に体力を回復できます。

睡眠の質で悩んでいる方は、魚を積極的に摂取するようにしてみてください。

なぜIQ発達と睡眠障害を改善するのか

IQと睡眠。一見無関係な者同士に見えますが、実は深く関係しています。

睡眠の質が上がることによりIQと認知能力が改善する

魚を多く食べている子どもは、睡眠障害の割合が低く、IQ・学力が高い傾向にありました。

青:魚を全く食べない子どものIQ
緑:魚を月2~3回食べる子どものIQ
赤:魚を週に1回以上食べる子どものIQ

これは、魚を多く食べることで睡眠障害が減り、結果としてIQ・学力が高くなったと考えられています。

つまり、魚を食べることで睡眠障害が減って認知能力が上がり、二次的な効果としてIQや学力が上がるのです。

「寝る子は育つ」というように、睡眠時間が長い子どもは心身共に成長が速いということが明らかになっています。

小さなお子様をお持ちの方は、子どもの学力向上のためにも魚をたくさん食べさせてあげてください!

オメガ3脂肪酸を摂ると夜に眠気物質が分泌される

EPAやDHAが含まれているオメガ3は、眠気を誘う「メラトニン」の産生に関わっていることが明らかになっています。

ある研究では、オメガ3を十分量摂るようになったグループは、睡眠時間が平均58分も増えたと報告されています。

魚の種類

100g当たりのDHA・EPAの合計含有量(mg)

さんま

2400

さば

1600

さけ

1500

いわし

1200

あじ

800

EPAとDHAは1日に1000mgの摂取が推奨されています。表内の魚であれば、約100g食べるだけで達成可能です!

なかなか寝付けないという方は、EPAやDHAを豊富に含む魚をたくさん食べてください。

また、オメガ3以外にも、トリプトファンとGABAが睡眠の質を向上させることがわかっています。

ただし、水銀が多く含まれる魚は要注意です。妊娠中に食べてもいい魚や、摂っても良い水銀量は、以下の記事で解説しています。妊娠中の方は参考にしてみてください。

【まとめ】魚が子どもに与える影響について

魚をたくさん食べることで睡眠の質が向上し、IQや学力にも良い影響をもたらします。

特に神経の発達が活発な乳幼児にはぜひ摂っていただきたいのが、オメガ3脂肪酸である「EPA」と「DHA」。乳幼児用のサプリメントも販売されているので、小さなお子様をお持ちの方はぜひチェックしてみてください!

もちろん、大人にも大きな効果がある魚。睡眠不足の方は朝ご飯にいかがでしょうか。

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